僕が、焼き物を始めたキッカケの一つに当時18歳か19歳の頃、酒屋でバイトしてたらいきなり光山さんが来て飲み行くぞ! (もちろんお酒は飲めないし、その時は、誰だこの人!!って思いましたよ!) そこで、言われた一言が、、、 『やきもん屋は、儲かるぞ!』 その当時の僕には、その一言が印象的でした。その頃から陶磁器業界全体として衰退している中ではありましたし、やきものは儲からんからやめとけ!という雰囲気はありました。
そんな時でも『やきもん屋は儲かるぞ』という一言が今考えると凄い事だなって実感します。(今も言ってらっしゃいますが笑) そんな光山さんの作品の魅力は焼物と思えないようなデザインを含め、全ての製造工程にこだわりをもち鍋島の職人としての思想を常に創造されている所だと思います。
個人的に好きな部分は『濃み(ダミ)』の表現の美しさです。もちろん細かいお話をすると濃みの表現をする為の線描きなど、さまざまな技術があっての濃みの美しさなんです。
また濃淡の表現だけで作っている所が本当凄いと思います!
ここまでの濃み技法は見た事ありません。 ぜひご覧頂下さい。 光山さんの作品の魅力(鍋島の技術)の背景には過去の努力の蓄積によるものだと思い、20歳までに、書道、油絵、水墨画、石膏デッサン、銅板画、などさまざまな勉強をされていらっしゃいます。このように色んな角度からの学びや知識が現在の光山さんの作品があるのだと思います。
僕がいつも、『すげ〜な〜』って思う事があります。
それは、この落書き帳です。 、、、 光山さんは、この落書き帳に絵付けの仕事をする前に、毎日練習するそうです。
しかも!焼き物に絵付けをするようになって40年間ずっとだそうです。 (オイが、よく言われんのが僕は子供の頃野球やってたので、野球に例えられます。 試合前に、キャッチボールするやろが。 試合前に準備運動しない人はおらんやろ。 それと一緒たい!) まぁ、確かに!。
絵付けの職人で、ここまで徹底してやっている人がどれだけいるだろうか。 光山さんの、絵付け場に行くと、いつも継続することの重要性を感じます! 光山さんは現在、伝統工芸士会 会長、一級技能士会 会長を務めながら活動されていらっしゃいます。本格的な鍋島の作品を作る光山さんの作品を、ぜひご覧下さい!