大川内山の街並みを歩く『職人が伝えたい、秘窯の里 大川内山』

三方山に囲まれ、山水画を思わせるような、切り立った屏風岩が独特な大川内山(おおかわちやま)
江戸時代、1660年ごろに鍋島藩の御用窯(ごようがま)として置かれた場所が伊万里市に位置する大川内山という町です。
現在は「秘窯(ひよう)の里」とよばれる焼き物の町で30軒の窯元が軒を連ねてます。

鍋島焼の産地、大川内山の事をご存知でない方に少しでも大川内山の街並みの魅力をお伝えできればと思い、職人視点でご紹介していきたいと思います。

鍋島の秘法を守った、大川内山

平成15年(2003)9月には、「大川内鍋島窯跡」として国の史跡に指定。
御用窯跡・物原(ものはら、失敗品などを捨てる場所)

水の音が特徴的な、大川内山

三方山に囲まれており産地全体の地形が谷のようになっており常に山水が流れております。

大川内山の街を歩いていると水の音がかすかに聞こえていて、とても心地いいんです。大川内山に来る機会があれば耳を澄ましてみて下さい。
あ〜、本当だ!ってなりますよ。

職人のオススメスポット①

鍋島藩窯公園 。

僕の一番好きな場所です!
夏場の涼を感じる風景と秋の紅葉シーズンは特に最高です。家族連れで大川内山に来る時は必ず行って欲しいスポットです。
撮影する時には、よくここを使います。

職人のオススメスポット②

めおとしの塔です。

ここは昔からあるので僕達は当たり前のように見て遊んで何とも感じていなかったんですが外部の人やお客様からすると大変珍しいようですね。そんなお話を聞いていると確かに風情があって水の音が心地いいんですよね。
橋を渡ると、人の動きに反応して14個の磁器製の風鈴が鳴りだす演出で、澄み切ったその音色は「日本の音風景百選」にも選ばれている。

職人のオススメスポット③

川沿いから見上げる鍋島藩窯橋。

夏場は子供達が水遊びをしたりしてとても癒される場所で時間があると僕もよくここに用事もないのに訪れます。
何か、わかんないんですけどここに来るととても気持ちいいんですよね〜。

インスタ映えスポット

鍋島藩窯公園。

鍋島藩窯公園には、さまざまな磁器のオブジェもあり歴史や文化遺産を楽しめるエリアがございます。今では若い人達が写真をよく撮りに来てます。
こうやって新しいツールを通事て若い人達が増えていく事も嬉しいですね。

戦後と現代の大川内山を比べてみた

このように当時の写真と現在の写真を見比べてみると戦後からたった75年ほどで大川内山も随分と変わったんだな〜と改めて感じました。時代と共に自分達の産地を見ていくと、これからの大川内山がどうあるべきか、その為に何をやっていくべきかを考えさせられます。